Together AIは、オープンソースの大規模言語モデルのトレーニング、ファインチューニング、および推論実行のためのインフラストラクチャとサービスを提供するクラウドベースのプラットフォームです。2022年に設立された同社は、マネージドコンピュート、最適化されたモデルサービング、および開発ツール群を提供することで、高度な生成AIを開発者や企業が利用しやすくすることを目指しています。
このプラットフォームは、NVIDIAのGPU(H100やA100アクセラレータを含む)を活用した高性能コンピューティングスタックを基盤としており、高速かつコスト効率の高い推論を実現します。Together AIはまた、LlamaやMistralなどの事前トレーニング済みオープンソースモデルを幅広く提供しており、ユーザーはシンプルなAPI呼び出しでこれらをデプロイできます。同社は、OpenAIやAnthropicなどのクローズドソースプロバイダーの代替として自らを位置づけ、透明性、カスタマイズ性、コミュニティ主導のイノベーションを重視しています。
歴史と設立
Together AIは、機械学習と分散システムのバックグラウンドを持つ研究者やエンジニアのチームによって2022年に設立されました。同社はスタンフォードAIラボから生まれ、当初は大規模モデルの分散トレーニングに焦点を当てた研究プロジェクトとしてインキュベートされました。設立チームには、Vipul Ved Prakash、Ce Zhang、Percy Liangなどが含まれていました。
2023年、Together AIはRedPajamaデータセットや分散トレーニングプラットフォームであるTogether Computerなどのオープンソースモデルとツールをリリースし、大きな注目を集めました。同社は2023年11月にKleiner Perkinsが主導するシリーズAラウンドで1億250万ドルを調達し、総評価額は5億ドルを超えました。2024年までに、Together AIはスタートアップやフォーチュン500企業を含む顧客基盤を拡大し、オンデマンドおよび専用コンピュートの両方のオプションを提供しています。
中核サービス
Together AIは、推論、ファインチューニング、トレーニングの3つの主要サービスを提供しています。推論サービスでは、継続的バッチ処理や量子化をサポートする最適化されたサービングエンジンを使用して、低レイテンシーかつ高スループットでオープンソースモデルをデプロイできます。ファインチューニングサービスでは、ユーザーが独自のデータを使用してベースモデルを特定のドメインやタスクに適応させることができ、LoRAなどのパラメータ効率的な手法をサポートしています。
トレーニングサービスは、カスタムモデルの事前トレーニング用にマネージドクラスタを提供し、データ準備、ジョブスケジューリング、モニタリングのためのツールを含みます。Together AIはまた、トランスフォーマーやニューラルネットワークを含む人気アーキテクチャを備えたモデルライブラリを提供し、PyTorchやHugging Faceなどの一般的なフレームワークと統合しています。プラットフォームはREST API、Python SDK、およびWebコンソールを介してアクセス可能であり、プロトタイピングから本番ワークロードまで適しています。
テクノロジーとインフラストラクチャ
Together AIのインフラストラクチャは、パフォーマンスとスケーラビリティを考慮して設計されています。同社は米国や欧州を含む複数の地域でデータセンターを運営し、高速ネットワークを使用してGPUクラスタを相互接続しています。Together Inference Engineと呼ばれるサービングエンジンは、テンソル並列処理、投機的デコード、カーネル融合などの技術を組み込んで、スループットを最大化します。
ファインチューニングに関しては、Together AIは完全なファインチューニングと、メモリと計算要件を削減するLoRAやQLoRAなどの効率的な手法の両方をサポートしています。プラットフォームはまた、「Together Computer」と呼ばれる機能を提供し、ユーザーが分散ネットワークからアイドル状態のGPU容量をレンタルできます。これはCoreWeaveに似ていますが、オープンソースモデルに焦点を当てています。2024年時点で、Together AIは数千のGPUを展開し、毎日数十億のトークンを処理しています。
エコシステムとパートナーシップ
Together AIは、オープンソースAIを中心とした活気あるエコシステムを構築しています。同社はAI21 LabsやInflection AIなどのモデル開発者と協力し、彼らのモデルをプラットフォーム上でホストしています。また、Amazon Web ServicesやGoogle Cloudなどのクラウドプロバイダーと提携して統合ソリューションを提供していますが、独自の独立したインフラストラクチャも維持しています。
同社は、LLaMAトレーニングデータの再現であるRedPajamaデータセットや、会話モデルのコレクションであるOpenChatKitなどのオープンソースプロジェクトに積極的に貢献しています。Together AIはまた、研究を支援し、ハッカソンやミートアップなどのコミュニティイベントを開催して、人工知能のイノベーションを促進しています。2024年には、プラットフォーム上で構築するスタートアップを支援するために1000万ドルのファンドを立ち上げました。
評価と影響
Together AIは、オープンソースモデルを扱いたい開発者にとってアクセスしやすい入り口を提供し、AIの民主化における主要プレーヤーとして認識されています。業界アナリストは、そのパフォーマンスとコスト効率を賞賛し、レイテンシーベンチマークでクローズドソースの代替品をしばしば上回ると指摘しています。しかし、一部の批評家は、大規模なGPUコンピューティングの環境への影響や、オープンソースモデルの悪用の可能性について懸念を表明しています。
これらの課題にもかかわらず、Together AIは成長を続けており、金融、ヘルスケア、テクノロジー分野の著名な企業を含む顧客基盤を持っています。オープンソースの原則へのコミットメントは、研究者や開発者の間で忠実な支持を得ており、生成AIの分野で重要な勢力として位置づけられています。2025年時点で、Together AIはクラウド推論およびファインチューニングサービスの主要プロバイダーであり続け、より専門的なツールやエンタープライズ機能を含むように提供内容を拡大する計画を立てています。
関連項目
参考文献
- Together AI公式ウェブサイトおよびプレスリリース。
- TechCrunch、「Together AI raises $102.5M to build open-source AI models」、2023年11月。
- VentureBeat、「Together AI launches inference engine for open-source models」、2024年3月。