Midjourneyは、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く独立系研究ラボであるMidjourney, Inc.によって作成された生成AIプログラムおよびサービスである。このプラットフォームは、プロンプトと呼ばれる自然言語の記述から画像を生成し、他の人工知能画像生成ツールと同様の方法で動作する。近年のAIブームにおける主要技術の一つとなった。このツールは2022年7月12日にオープンベータを開始し、Discordボットまたは公式ウェブサイトを通じて利用でき、ユーザーは専門的なハードウェアや機械学習の専門知識を必要とせずに画像を生成できる。
プロジェクトは、手の追跡センサーで知られる企業Leap Motionの共同創業者であるデイビッド・ホルツが率いている。2022年8月のThe Registerのインタビューで、ホルツはMidjourneyがすでに収益を上げていると述べたが、これは初期のAIベンチャーの中では異例のことである。ユーザーはDiscordを通じてコマンドを送信するか、ウェブインターフェースを使用してサービスと対話し、各プロンプトに対して4枚の画像セットが返され、それを拡大または調整することができる。
歴史と開発
Midjourney, Inc.は、サンフランシスコでデイビッド・ホルツによって設立され、彼は以前Leap Motionを共同創業していた。MidjourneyのDiscordサーバーは2022年3月14日に開始され、チームはトレーニング目的で高品質の写真をTwitterとRedditに投稿するよう依頼した。同社は、2022年4月のバージョン2、2022年7月25日のバージョン3から始めて、数か月ごとに新しいモデルバージョンをリリースし始めた。バージョン4のアルファ版は2022年11月5日にリリースされ、そのバージョン以降、モデルは標準のGPUクラスターではなくGoogle TPUでトレーニングされた。
バージョン5は2023年3月15日にアルファ版に入り、続いて5.1モデルがリリースされ、画像にさらにスタイライゼーションを適用し、より文字通りのプロンプトで動作した。バージョン5.2では、美学システムと、既存の画像の周囲のコンテンツを生成する「ズームアウト」機能が導入された。バージョン6は2023年12月21日にアルファ版に到達し、9か月かけてゼロからトレーニングされ、テキスト描写の改善とプロンプトのより文字通りの解釈が実現された。ウェブインターフェースは2024年8月にバージョン6.1とともに開始され、編集、パン、ズーム、領域バリエーション、インペインティングを単一のツールに統合した。
機能と操作性
Midjourneyは主にDiscordボットを通じてアクセスされ、公式サーバー、ボットへの直接メッセージ、またはサードパーティのサーバーへの招待のいずれかで利用できる。ユーザーは「/imagine」コマンドに続けてプロンプトを入力すると、ボットは4枚の画像のグリッドと拡大オプションを返す。ウェブサイトは当初、ウェブエディターを使用する前にDiscordで少なくとも1,000枚の画像を生成することをユーザーに要求していたが、その制限は撤廃された。このプラットフォームは、Vary (Region)やリミックスなど、複数のリファインメントツールを提供しており、リミックスは2023年9月5日にリリースされ、ユーザーが画像の特定の領域を選択し、その領域のみに変更を適用できるようにした。
画像ウェイト機能は、アップロードされた画像が最終出力に与える影響を制御し、ユーザーがプロンプトテキストまたは画像の特性のどちらを優先するかを選択できるようにする。スタイルリファレンスツールは、参照画像から色、テクスチャ、または雰囲気を抽出し、新しい作品に適用する。キャラクターリファレンス機能は、アップロードされたキャラクター画像を使用して、そのキャラクターの複数の生成画像間で視覚的な一貫性を維持する。
使用例と採用
デイビッド・ホルツは、アーティストが最終レンダリングを開始する前にクライアントに示すための芸術的概念の迅速なプロトタイピングにMidjourneyをどのように使用しているかを説明している。広告業界は、DALL-EやStable Diffusionとともにこのツールを採用し、アイデアのブレインストーミングやオリジナルコンテンツの作成に使用している。建築家は、プロジェクトの初期段階で画像検索結果を閲覧する代わりに、このソフトウェアを使用してムードボードを生成したと報告している。このプラットフォームは、雑誌の表紙やコミックなど、メディア制作でも使用されている。
注目すべき論争
BBCは2023年、Midjourneyを含むAIベースのテキストから画像への生成ツールのリアリズムが高いレベルに達しており、文化的な議論を引き起こしていると指摘した。顕著な事例の一つは、2022年8月にMidjourneyの画像「Théâtre D'opéra Spatial」がコロラド州フェアのデジタルアートコンペティションで優勝したことである。プロンプトを書いたジェイソン・アレンは、その画像をキャンバスに印刷して自分の名前で出品し、他のデジタルアーティストを怒らせた。アレンは、コンペティションの規則に従ったと述べて謝罪せず、審査員は後に、AIツールについて知っていたとしても賞を授与していただろうと述べた。
2022年12月、AI生成の子供向け絵本「Alice and Sparkle」が一週末で作成された。作者のアンマール・リーシは、Midjourneyを使用して本のために約13枚の画像を生成し、モデルが許可なく彼らの作品でトレーニングされたと主張するアーティストから批判を浴びた。The Atlanticのライターであるチャーリー・ワーゼルは、ニュースレターのためにMidjourneyを使用してアレックス・ジョーンズの画像を生成し、後にその事件に関する記事でその決定を間違いだったと呼んだ。このプログラムはまた、2022年のThe Economistの表紙や、ヴァンニ・サントーニが書いた漫画のためにイタリアの新聞Corriere della Seraでも使用された。Midjourneyに関する10分間のセグメントが、Last Week Tonight with John Olliverのエピソードで放送された。
評価と批判
アーティストは、Midjourneyのトレーニングデータに多くの著作権のある作品が含まれているため、同意とクレジットに関する懸念を提起している。そのアクセシビリティと速度を称賛する人もいる一方で、法的および倫理的な影響を批判する人もいる。同社は、トレーニングデータからオプトアウトするオプションなどの機能を追加することで対応してきたが、そのような措置は批評家によって不十分と見なされている。議論にもかかわらず、Midjourneyは専門家の間で広く使用され続けている。