Laya は、インド・ケーララ州カサラゴドに拠点を置くスタートアップ Convai Innovations(創業者:Nandakishor M)が2026年9月にリリースした、オープンウェイトの人工知能意思決定モデルである。Apache 2.0 ライセンスのもとでHugging Face上にウェイトが公開されており、同月にTypeSafe AIがリリースしたクローズドな「System One」意思決定モデル Jev に対抗する、オープンでセルフホスト可能な選択肢として位置づけられている。
仕組み
Laya は非自己回帰型である。つまり、大規模言語モデルのようにトークンを1つずつ生成するのではなく、分類を行う。状態(メール、サポートチケット、エージェントのトレース、JSONオブジェクトなど)と、固定された回答セットを持つ型付き質問のリストが与えられると、単一のフォワードパスで選択された回答を校正済み確率とともに返す。自由形式のテキストを生成しないため、幻覚を起こす対象がなく、散文やJSONを解析する必要もない。下流のコードは、型付き結果とその信頼度に直接分岐する。
主要な英語チェックポイントは、約4億2100万パラメータのModernBERT-largeバックボーン上に構築されており、手頃なローカルハードウェアでも動作するほど小さい。多言語版は100以上の言語をカバーしている。
性能に関する主張
Convai は、単一のTesla T4 GPU上で中央値(p50)レイテンシが約32.8ミリ秒であると報告しており、これはJevのホスト型APIで測定された236〜276ミリ秒と比較して、ベンダー自身のベンチマークでは約7.8倍の速度優位であり、セルフホスト時には限界コストゼロである。Jevの発表時数値と同様に、これらの数値はベンダー自身の評価に基づくものであり、リリース後数週間の独立した検証は限定的であった。
プロジェクト自身が認めている重要な注意点として、初期状態のベースモデルは意思決定タスクでランダムに近いスコアしか出ないことが挙げられる。見出しとなる精度数値は、対象タスクへのファインチューニング後に達成されるものである。Laya は、ゼロショットでそのまま使えるものではなく、ワークロードに適応させるオープンで効率的な意思決定モデルアーキテクチャとして理解するのが最適である。
Laya と Jev
Laya と Jev は、ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』における高速で直感的な「システム1」にちなんで、System One モデルと呼ばれる新興カテゴリを定義している。これは、高ボリューム・低レイテンシの分類、スコアリング、ルーティング、次のステップの意思決定のために構築されたモデルであり、生成型の 大規模言語モデル を置き換えるのではなく、その隣に位置づけられるものである。両者の主な違いは配布形態にある。Jev はクローズドなホスト型APIであるのに対し、Laya のApache-2.0ウェイトはローカルで実行でき(Node.js/TypeScript向けのコミュニティランタイムがONNX Runtime経由で存在する)、自由にファインチューニングでき、呼び出しごとのコストなしでデプロイできる。